天皇

天皇の歴史

天皇の歴史は「古事記」「日本書紀」に記される神話に始まる。
日本という国を創ったとされる天皇だが、天皇の役割は時代に応じて代わってきた。
大和王権の指導者として君臨した古代、武士との権力争いの末、政治の表舞台から消えた中世・近世、再び権力の中枢へと担ぎ出された近代、そして象徴天皇となった現在。
時代ごとに様々な思惑が交錯して続いてきた皇位継承の歴史を振り返る。

神武天皇

月岡芳年「大日本名将鑑 神武天皇」
明治時代初期の版画

神話の時代

天皇の歴史は、『古事記』『日本書紀』(以下、「記紀」と略)に記される日本神話に始まる。
8世紀に完成した「記紀」は、天皇中心の日本統治を正統化しており、神武以降、6世紀頃までの天皇の実在性や系譜・事蹟には数々の議論がある。

この時代の天皇

  • 初代 神武天皇
  • 2代 綏靖天皇
  • 3代 安寧天皇
  • 4代 懿徳天皇
  • 5代 孝昭天皇
  • 6代 孝安天皇
  • 7代 孝霊天皇
  • 8代 孝元天皇
  • 9代 開化天皇
  • 10代 崇神天皇
  • 11代 垂仁天皇
  • 12代 景行天皇
  • 13代 成務天皇
  • 14代 仲哀天皇

三種の神器

皇位の象徴として、歴代の天皇たちが受け継いで来た三種の宝物のである。
その歴史は長く、実に神話の時代から現代へと続いている。

三種の神器(イメージ)

三種の神器(イメージ)

草薙剣(天叢雲剣)
草薙剣(くさなぎのつるぎ)は、スサノオがヤマタノオロチの体内から見つけ、熱田神宮に祀られているとされるモノの分身。
壇ノ浦に沈んだ後は、伊勢神宮から贈られた別の剣が神器とされた。
八尺瓊勾玉
八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)は、天照大御神が天岩戸に隠れた際に、真榊に付けて飾ったモノで、宮中に祀られているとされる。
八咫鏡
八咫鏡(やたのかがみ)は、天照大御神が天岩戸に隠れた際に大神を岩戸から引き出す為に造られ、伊勢神宮に祀られているとされるモノの分身。

王権の成立

大王(天皇)の権力が伸張するとともに、その版図を拡大した。
権力継承に一定のルールが生まれ、王権が確立する。
推古朝から天武朝に掛けての時期に天皇が成立したと考えられている。

この時代の天皇

  • 15代 応神天皇
  • 16代 仁徳天皇
  • 17代 履中天皇
  • 18代 反正天皇
  • 19代 允恭天皇
  • 20代 安康天皇
  • 21代 雄略天皇
  • 22代 清寧天皇
  • 23代 顯宗天皇
  • 24代 仁賢天皇
  • 25代 武烈天皇
  • 26代 継体天皇
  • 27代 安閑天皇
  • 28代 宣化天皇
  • 29代 欽明天皇
  • 30代 敏達天皇
  • 31代 用明天皇
  • 32代 崇峻天皇
  • 33代 推古天皇
  • 34代 舒明天皇

天皇中心の中央集権

大化の改新」以降、天武・持統朝から平安時代初頭に掛けて、大陸の国家に学んで、天皇中心の中央集権国家が目指された。
律令制度の下、国家権力は天皇に集中した。

この時代の天皇

  • 35代 皇極天皇
  • 36代 孝徳天皇
  • 37代 斉明天皇
  • 38代 天智天皇
  • 39代 弘文天皇
  • 40代 天武天皇
  • 41代 持統天皇
  • 42代 文武天皇
  • 43代 元明天皇
  • 44代 元正天皇
  • 45代 聖武天皇
  • 46代 孝謙天皇
  • 47代 淳仁天皇
  • 48代 称徳天皇
  • 49代 光仁天皇
  • 50代 桓武天皇
  • 51代 平城天皇
  • 52代 嵯峨天皇
  • 53代 淳和天皇
桓武天皇像(延暦寺蔵)

桓武天皇像(延暦寺蔵)

摂関家の台頭

平安時代中期以降、藤原氏(北家)が天皇の外戚となり、摂政・関白の地位に就いた。
幼帝や外戚の主導が増え、天皇が政治的権力を奮う事は少なくなる。

この時代の天皇

  • 54代 仁明天皇
  • 55代 文コ天皇
  • 56代 清和天皇
  • 57代 陽成天皇
  • 58代 光孝天皇
  • 59代 宇多天皇
  • 60代 醍醐天皇
  • 61代 朱雀天皇
  • 62代 村上天皇
  • 63代 冷泉天皇
  • 64代 円融天皇
  • 65代 花山天皇
  • 66代 一条天皇
  • 67代 三条天皇
  • 68代 後一条天皇
  • 69代 後朱雀天皇
  • 70代 後冷泉天皇
  • 71代 後三条天皇

院政による支配

白河天皇の時代に、天皇が譲位後に太上天皇(上皇)、または法皇となり、天皇の後見者となって政治を行う「院政」が始まった。
実際に政治を執り行う上皇もしくは天皇は「治天の君」と呼ばれた。
院政は江戸後期まで、継続的に見られた。

この時代の天皇

  • 72代 白河天皇
  • 73代 堀河天皇
  • 74代 鳥羽天皇
  • 75代 崇徳天皇
  • 76代 近衛天皇
  • 77代 後白河天皇
  • 78代 二条天皇
  • 79代 六条天皇
  • 80代 高倉天皇
  • 81代 安徳天皇
  • 82代 後鳥羽天皇
  • 83代 土御門天皇
  • 84代 順徳天皇
  • 85代 仲恭天皇
  • 86代 後堀河天皇
  • 87代 四条天皇
後白河法皇像(宮内庁蔵『天子摂関御影』より)

後白河法皇像
宮内庁蔵『天子摂関御影』より

皇統の分裂

御嵯峨天皇が、治天の君の後継者選びを鎌倉幕府にゆだねた事を切っ掛けに、皇統が持明院統と大覚寺統に分裂する。
後の南北朝動乱へと繋がっていく。
両統合一後は室町幕府への依存が強まった。

この時代の天皇

  • 88代 後嵯峨天皇
  • 89代 後深草天皇
  • 90代 亀山天皇
  • 91代 後宇多天皇
  • 92代 伏見天皇
  • 93代 後伏見天皇
  • 94代 後二条天皇
  • 95代 花園天皇
  • 96代(南朝初代) 後醍醐天皇
  • 97代(南朝2代) 後村上天皇
  • 98代(南朝3代) 長慶天皇
  • 99代(南朝4代) 後亀山天皇
  • (北朝初代) 光厳天皇
  • (北朝2代) 光明天皇
  • (北朝3代) 崇光天皇
  • (北朝4代) 後光厳天皇
  • (北朝5代) 後円融天皇
  • 100代(北朝6代) 後小松天皇
  • 101代 称光天皇

困窮と権威の失墜

室町時代後半になると、戦乱や飢饉の影響で、天皇や貴族たちは困窮を極めた。
即位式さえ執り行う事が出来ない時代が続く。
しかし、織田信長豊臣秀吉ら戦国大名の支援の下、天皇は経済的・政治的に武士に依存しながら権威の回復に成功する。
後陽成天皇は秀吉を通じて、諸大名に朝廷への臣従を誓わせた。
多大な武力を持つ秀吉であっても、各地大名を従える為には天皇の権威が必要であったのだ。

この時代の天皇

  • 102代 後花園天皇
  • 103代 後土御門天皇
  • 104代 後柏原天皇
  • 105代 後奈良天皇
  • 106代 正親町天皇
  • 107代 後陽成天皇

権威の確保と江戸幕府による庇護

江戸時代には、天皇は徳川幕府の庇護下に置かれ、一定の所領(禁裏御料)を所有しながら存続する。
幕府によって禁中並公家諸法度が制定、天皇の行動・規範が細かく定められ、幕府は朝廷の動きを絶えず監視した。
しかし、18世紀に入ると朝廷と幕府の関係は安定し始める。
皇位継承に欠かせない大嘗祭は東山天皇の代に復活した。

この時代の天皇

  • 108代 後水尾天皇
  • 109代 明正天皇
  • 110代 後光明天皇
  • 111代 後西天皇
  • 112代 霊元天皇
  • 113代 東山天皇
  • 114代 中御門天皇
  • 115代 桜町天皇
  • 116代 桃園天皇
  • 117代 後桜町天皇
  • 118代 後桃園天皇
  • 119代 光格天皇
  • 120代 仁孝天皇
  • 121代 孝明天皇

日本国・国民統合の象徴へ

江戸中期以降、幕末に掛けて、水戸学や国学など尊王論が盛んとなり、天皇の権威が急回復する。
明治維新後、天皇を中心とした近代的な中央集権国家が目指される。
大日本帝国憲法下の天皇は、大いなる権威を持ってはいた。
しかし、政治・軍事において実質的には象徴としての存在であり、軍部や政府を抑制する事が大きな役割であった。
第二次世界大戦後は、軍の解体もあり、天皇は完全に国家の象徴となった。
現在の日本国憲法下で、日本国民統合の象徴として、現在も国民の心の拠り所となっている。

この時代の天皇

  • 122代 明治天皇
  • 123代 大正天皇
  • 124代 昭和天皇
  • 125代 今上天皇
明治天皇

明治天皇

歴代天皇の一覧

名前よみ即位年
初代神武天皇じんむ前660年〜前585年
2代綏靖天皇すいぜい前581年〜前549年
3代安寧天皇あんねい前549年〜前511年
4代懿徳天皇いとく前510年〜年前477
5代孝昭天皇こうしょう前475年〜前393年
6代孝安天皇こうあん前392年〜前291年
7代孝霊天皇こうれい前290年〜前215年
8代孝元天皇こうげん前214年〜前158年
9代開化天皇かいか前158年〜前98年
10代崇神天皇すじん前97年〜前30年
11代垂仁天皇すいにん前29年〜後70年
12代景行天皇けいこう71年〜130年
13代成務天皇せいむ131年〜190年
14代仲哀天皇ちゅうあい192年〜200年
15代応神天皇おうじん270年〜310年
16代仁徳天皇にんとく313年〜399年
17代履中天皇りちゅう400年〜405年
18代反正天皇はんぜい406年〜410年
19代允恭天皇いんぎょう412年〜453年
20代安康天皇あんこう453年〜456年
21代雄略天皇ゆうりゃく456年〜479年
22代清寧天皇せいねい480年〜484年
23代顯宗天皇けんぞう485年〜487年
24代仁賢天皇にんけん488年〜498年
25代武烈天皇ぶれつ498年〜506年
26代継体天皇けいたい507年〜531年
27代安閑天皇あんかん531年〜535年
28代宣化天皇せんか535年〜539年
29代欽明天皇きんめい539年〜571年
30代敏達天皇びだつ572年〜585年
31代用明天皇ようめい585年〜587年
32代崇峻天皇すしゅん587年〜592年
33代推古天皇すいこ592年〜628年
34代舒明天皇じょめい629年〜641年
35代皇極天皇こうぎょく642年〜645年
36代孝徳天皇こうとく645年〜654年
37代斉明天皇さいめい655年〜661年
38代天智天皇てんじ 668年〜671年
39代弘文天皇こうぶん671年〜672年
40代天武天皇てんむ673年〜686年
41代持統天皇じとう 690年〜697年
42代文武天皇もんむ697年〜707年
43代元明天皇げんめい707年〜715年
44代元正天皇げんしょう715年〜724年
45代聖武天皇しょうむ724年〜749年
46代孝謙天皇こうけん749年〜758年
47代淳仁天皇じゅんにん758年〜764年
48代称徳天皇しょうとく764年〜770年
49代光仁天皇こうにん770年〜781年
50代桓武天皇かんむ781年〜806年
51代平城天皇へいぜい806年〜809年
52代嵯峨天皇さが809年〜823年
53代淳和天皇じゅんな823年〜833年
54代仁明天皇にんみょう833年〜850年
55代文コ天皇もんとく850年〜858年
56代清和天皇せいわ858年〜876年
57代陽成天皇ようぜい876年〜884年
58代光孝天皇こうこう884年〜887年
59代宇多天皇うだ887年〜897年
60代醍醐天皇だいご897年〜930年
61代朱雀天皇すざく930年〜946年
62代村上天皇むらかみ946年〜967年
63代冷泉天皇れいぜい967年〜969年
64代円融天皇えんゆう969年〜984年
65代花山天皇かざん984年〜986年
66代一条天皇いちじょう986年〜1011年
67代三条天皇さんじょう1011年〜1016年
68代後一条天皇ごいちじょう1016年〜1036年
69代後朱雀天皇ごすざく1036年〜1045年
70代後冷泉天皇ごれいぜい1045年〜1068年
71代後三条天皇ごさんじょう1068年〜1072年
72代白河天皇しらかわ1072年〜1086年
73代堀河天皇ほりかわ1086年〜1107年
74代鳥羽天皇とば1107年〜1123年
75代崇徳天皇すとく1123年〜1141年
76代近衛天皇このえ1141年〜1155年
77代後白河天皇ごしらかわ1155年〜1158年
78代二条天皇にじょう1158年〜1165年
79代六条天皇ろくじょう1165年〜1168年
80代高倉天皇たかくら1168年〜1180年
81代安徳天皇あんとく1180年〜1185年
82代後鳥羽天皇ごとば1183年〜1198年
83代土御門天皇つちみかど1198年〜1210年
84代順徳天皇じゅんとく1210年〜1221年
85代仲恭天皇ちゅうきょう1221年
86代後堀河天皇ごほりかわ1221年〜1232年
87代四条天皇しじょう1232年〜1242年
88代後嵯峨天皇ごさが1242年〜1246年
89代後深草天皇ごふかくさ1246年〜1259年
90代亀山天皇かめやま1259年〜1274年
91代後宇多天皇ごうだ1274年〜1287年
92代伏見天皇ふしみ1287年〜1298年
93代後伏見天皇ごふしみ1298年〜1301年
94代後二条天皇ごにじょう1301年〜1308年
95代花園天皇はなぞの1308年〜1318年
96代
(南朝初代)
後醍醐天皇ごだいご1318年〜1339年
97代
(南朝2代)
後村上天皇ごむらかみ1339年〜1368年
98代
(南朝3代)
長慶天皇ちょうけい1368年〜1383年
99代
(南朝4代)
後亀山天皇ごかめやま1383年〜1392年
(北朝初代)光厳天皇こうごん1331年〜1333年
(北朝2代)光明天皇こうみょう1336年〜1348年
(北朝3代)崇光天皇すこう1348年〜1351年
(北朝4代)後光厳天皇ごこうごん1352年〜1371年
(北朝5代)後円融天皇ごえんゆう1371年〜1382年
100代
(北朝6代)
後小松天皇ごこまつ1382年〜1412年
101代称光天皇しょうこう1412年〜1428年
102代後花園天皇ごはなぞの1428年〜1464年
103代後土御門天皇ごつちみかど1464年〜1500年
104代後柏原天皇ごかしわばら1500年〜1526年
105代後奈良天皇ごなら 1526年〜1557年
106代正親町天皇おおぎまち1557年〜1586年
107代後陽成天皇ごようぜい1586年〜1611年
108代後水尾天皇ごみずのお1611年〜1629年
109代明正天皇めいしょう1629年〜1643年
110代後光明天皇ごこうみょう1643年〜1654年
111代後西天皇ごさい1654年〜1663年
112代霊元天皇れいげん1663年〜1687年
113代東山天皇ひがしやま1687年〜1709年
114代中御門天皇なかみかど1709年〜1735年
115代桜町天皇さくらまち1735年〜1747年
116代桃園天皇ももぞの1747年〜1762年
117代後桜町天皇ごさくらまち1762年〜1770年
118代後桃園天皇ごももぞの1770年〜1779年
119代光格天皇こうかく1779年〜1817年
120代仁孝天皇にんこう1817年〜1846年
121代孝明天皇こうめい1846年〜1866年
122代明治天皇めいじ1867年〜1912年
123代大正天皇たいしょう1912年〜1926年
124代昭和天皇しょうわ1926年〜1989年
125代今上天皇きんじょう1989年〜2019年

↑ページTOPへ