日本の領土問題

日本の領土問題

戦後の日本は、様々な問題を積み残してきたが、北方領土を始めとするサンフランシスコ平和条約非調印国との領土問題は、解決の糸口が見えていない。
領土問題をめぐり、周辺国との利害対立が表面化、緊張高まっている。
ロシアとの北方領土問題、韓国との竹島問題、領土問題ではないが中国が領有権を主張している尖閣諸島など、様々な問題が残っている。

領土問題の難しさ

ナショナリズムと資源問題

今日、領土問題は東アジアに限らず世界各地に存在し、パレスチナクリミア半島など紛争にまで発展する事も珍しくない。
領土問題の解決を難しくしている要因は、国家優先主義・ナショナリズムと資源問題である。

サンフランシスコ平和条約で、領土は確定している

戦後の日本では、サンフランシスコ平和条約で領土が確定したものの、同条約に参加・調印しなかった近隣諸国との間で問題が発生している。
そして、ナショナリズムか資源問題、あるいはその両方とも含む事で問題は複雑化し、今日まで解決に至っていない。

北方領土問題

北方領土のおけるロシアの立場

日本の領土問題の中で、特に長期にわたっている問題は、終戦直後、旧ソ連に占領された択捉島(えとろふ)・国後島(くなしり)・色丹島(しこたん)・歯舞群島(はぼまい)の北方領土である。
ポツダム宣言受託後の1945年8月28日から9月5日にかけて旧ソ連が北方領土に侵攻し、以来不法占領を続けている。
1956年の日ソ共同宣言では、歯舞・色丹を平和条約締結後に返還するとしたものの、国後・択捉の返還は合意に至らなった。
1993年、ロシアのエリツィン大統領が訪日して出された「東京宣言」では、日ロ間の領土問題が北方4島の問題である事が確認されたが、プーチン政権以後、解決は遠のきつつある。

北方領土のおけるロシアの立場

第二次世界大戦で最大の犠牲者を出したソ連(現ロシア)としては、血を流して獲得した領土の返還に簡単に応じるわけにはいかないという国内のナショナリズムに配慮する必要があったのだ。

資源が発見され、さらに交渉が難航

日本側としては、交渉相手はソ連からロシアに代わっても一貫して4島一括返還を主張し続けた。
しかし、2000年代に入り、ロシア側の調査で国後・択捉沖海底に有望な油田・ガス田が確認された。
この資源問題が加わった事で、北方領土の解決は藁に難しくなった。

竹島問題

1952年、大韓民国による一方的な李承晩ライン設定以来、韓国が実行支配している竹島の問題は、典型的なナショナリズムの対立である。
日本は韓国に対し、国際司法裁判所への提訴を提案しているが、韓国側はこれを拒否し続けている。
2005年に竹島編入100年を記念した島根県が2月22日を「竹島の日」とする条例を制定すると猛反発。

時が立つほど、悪化する日韓関係

逆に、2012年に李明博が大統領として初めて竹島に上陸すると、日本国内では「嫌韓現象」が巻き起こっている。
さらに韓国は、水産資源問題をめぐり、日韓漁業協定で一応の解決をみているに関わらず、韓国漁船の違法操業問題を頻発させている。
領土問題は一向に進展しないばかりか、慰安婦問題などの歴史問題も加わり、日韓関係の改善は暗礁に乗り上げている。

尖閣を領土問題にしたい中国

1968年に国連機関などが行った調査で、沖縄県・尖閣諸島周辺海域に石油資源が埋蔵されている可能性が指摘された。
この調査結果を受けて、1971年以降、中国と台湾尖閣諸島の領有権を主張し始めている。
日本政府は、一貫して尖閣諸島に領土問題はないとの立場を貫いている。

中国が尖閣に求めるもの

2013年には中国が初めて尖閣を「革新的利益」と述べている。
中国は資源獲得は勿論、太平洋への進出を果たす為の足掛かりとしても、この海域を狙っていると思われる。
>> 中国の海洋進出


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