キリスト教用語

日常生活で使えるキリスト教用語

世界でも多くの信者を誇り、日本でも多く浸透しているキリスト教。
日常生活でもキリスト教用語がよく使われている。
このページでは、日常生活でも使えるキリスト教用語を説明。

聖書とは

聖書は、全て神様の霊感によって書かれたと記されている。
つまり、神に選ばれた40人の預言者が、神の霊感、神の息吹を受けながら神の意思を正確に書き記したものとされている。
例えば、旧約聖書の「創世記」や「出エジプト記」など5つはモーセによって書かれたとの伝承があり、その他はダビデ王や医者であるルカ、漁師であったペテロやヨハネなど、いろいろな立場の人が携わったとされる。
旧約聖書は、紀元前1500年頃から紀元100年頃まで、約1600年の長い年月をかけて記されている。
新約聖書は、イエス・キリストが生まれる約1500年前から書かれ、イエスの死後、100年後まで、またも1600年を掛けて記されたという。

ヨハネの黙示録とは

紀元81年から96年の間のキリスト教迫害時代に記された物。
世紀末が記されていると思うが、迫害に苦しむ信者たちを慰め、励ますため、特にイエス・キリストの再臨が強調されている。

使徒言行録とは

新約聖書に収められている28章からなる言行録。
イエスの死後、使徒たちが中心となってエルサレムに教会が誕生し、発展していく様子や、ペトロとパウロの2人の使徒の活躍などが描かれている。

福音書

イエスの生涯と教えを記したもので、新約聖書にはマタイ・マルコ・ヨハネ・ルカの4つの福音書が収められている。
ちなみに福音のギリシャ語は「エヴアンゲリオン」で、良き知らせという意味である。

「十字架」の意味とは?
イエス・キリストが磔となった刑具である十字架は重荷、苦難などを表す一方、罪からの解放も表す。
アダム以来の堕落によって人類は神の栄光を汚した。
神の怒りを収める為、「キリスト(救世主)」が人類の罪を背負って刑罰を受けたとする。
キリストを信じる事で、「なぜ救われる」?
人は死後、神による制裁が行われ、有罪なら地獄へ、無罪なら天国へ行く事になると、聖書は説いている。
無罪となるには神から救われる必要があり、そのためにはイエス・キリストを神の子と信じる事が条件とされている。
「創造主」と「神」の違いは?
キリスト教は一神教である。
その神は人格神であり、無から天地や全宇宙を生み出した創造主でもあるとする。
その独り子のキリストをこの世に遣わし、創造主である神の言葉を伝えて人類を救済させた。
全ての人間は「罪深い」存在なのか?
人は神によって造られただけに愛を持つ高尚な存在だが、アダムとエバ(イブ)が禁断の木の実を食べてしまったように、神の言葉に背く弱さを持っている。
そうした罪深い人間を救える、罪を犯さない完璧な存在は神だけなのだ。
聖書に書かれている「奇跡」に秘められた「意味」とは?
聖書では奇跡は神の力ある技と記されている。
水をお酒に変えるなどの、多くの奇跡を起こした事から弟子たちはキリストを信じた。
それは、キリストが人間を神の国へ導く霊力を持った救い主である事を物語っている。
「旧約聖書」と「新約聖書」の違いとは?
旧約聖書はキリスト教の成立以前に、古代ユダヤ人の手によって書かれた文書を集めたユダヤ教(と、キリスト教・イスラム教共通の)の聖典である。
新約聖書はイエス・キリストの生涯と教え、使徒と呼ばれる指導者たちの言行などが記されたキリスト教固有の聖典である。
※ただし、イスラム教において、新約聖書もよまれている。しかし、イエスを神の子や、キリストとは考えていない。
「プロテスタント」と「カトリック」の違いとは?
プロテスタントはキリスト教の大教派で以前、新教と呼ばれ、カトリックの旧教と区別されていた。
プロテスタントが聖書だけで救いの根源とする信仰に立っているのに対し、カトリックは教会や典礼、儀式を重視している。
教会の造りも、カトリックは内装が豪華な作りだが、プロテスタントは十字架とオルガンしかないなど、質素な場合が多い。
「ゴルゴダの丘」はどこにあるのか?
イエス・キリストが磔にされたゴルゴダという地名は頭蓋骨を意味するギリシャ語である。
地形が似ていた為の命名であるともいわれる。
場所は特定されておらず、イスラエル東部、パレスチナ自治政府のエルサレムの丘に建つ聖墳墓教会とするのが有力。
聖書に登場する「人物」
最初の人類・アダム、アダムの骨から造られたエバ(イブ)。
人類最初の殺人の加害者と被害者であるエデンの園のカインとアベル。
神が起こした大洪水に対し、箱舟を作り多くの命を救ったノア。
イスラエルの民を開放したモーセ、古代イスラエルの王・ソロモンなど、多くの人物が聖書に、その存在が記されている。
「アーメン」という言葉の意味は?
「まことに」や「そうでありますように」という意味で、祈祷や讃美歌の終わりに使う言葉。
もとは、「重要な話をするから、よく聞くように」という意味があったといわれるが、いつしかなくなり、「賛成」や「同意」を表明する意味だけが残った。
「死海文書」とは何か?
イスラエルの死海近くのクムラン洞窟などで見つかった、羊皮紙やパピルスに描かれた大量の古文書の巻物。
紀元前2世紀から1世紀に書かれた物とされ、最古のヘブライ語聖書の写本より千年近くも古い貴重な古文書。
「日曜日」はどうして「休み」なのか?
モーセの十戒で神は「安息日を心に留め、聖別せよ」と定め、金曜日夕刻から土曜日日没までとしたが、キリストが復活した日曜が安息日となった。
神に造られた事を喜び、救われた事を感謝する日。
「預言者」と「予言者」の違いとは?
予言者が未来を予告する人であるのに対し、預言者は「預」の字が表すように神の言葉を預かり人々に伝える人を指した。
預言者の言葉には未来に関する事もあったが、過去を反省させ、正しい選択を迫るものも多かった。
「大聖堂」とはどんな建物?
キリスト教がローマ帝国に公認されると、聖堂の建設が進んだ。
神の存在を意識する空間で、共同体としての結びつきを強める為の象徴である。
その中で都市の中心にあり、司教のいる聖堂が大聖堂と呼ばれた。
信者にとっての聖地だ。
「牧師」と「神父」の違いとは?
プロテスタントは牧師、カトリックと東方正教会では神父と呼ぶ。
両者とも、教会で信徒の信仰を守り、導く役目を持つが、牧師には序列がなく婚姻が可能である。
神父は序列があり、信徒に対し一段高い所にいて、信徒を統括し、婚姻が禁じられている。
「ミサ」と「礼拝」は何が違うのか?
カトリックがミサでプロテスタントが礼拝。
どちらも讃美歌や聖書朗読、説教が内容だが、ミサは順序が決められ、キリストの体を意味するパンが手渡される。
礼拝では聖書の言葉を聞く事が大切で、説教に重きを置く。
「洗礼」とは何か?
キリスト教徒になる為に教会で、行われる儀礼。
全身を水に浸すか頭尾に水を注ぐ事によって罪を洗い清め、神の子として新しい生命を与えられる証とする。
洗礼名が授けられるかは教派によって様々である。
「信仰告白」とは何か?
キリスト教に対する個人はまた教会の信仰を明確な言葉で表したもので、その後の信仰の規準となり、礼拝文にも用いられる。
信仰告白とは主にプロテスタントでの用語である。
カトリックでは信仰宣言、信条と呼ばれている。
「聖餐式(せいさんしき)」とは何か?
イエス・キリストは「パンは私の体であり、杯は私の血による契約である」と言った。
この最後の晩餐に由来するパンとブドウ酒を集まった人々に分ける儀式。
キリストの命と死、復活と聖餐式そのものを記念し、確認する為のもの。
「主の祈り」とは何か?
「天にまします我らの父よ、願わくは御名をあがめさせ給え」で始まる、イエス・キリストが弟子たちに教えたとされる祈りの言葉。
神の国と神の義を切に求めれば必要なものが与えられるとするキリストの思想が示されている。
「処女降誕」とは何か?
マリアは許嫁のヨゼフと交わることなく聖霊によって身籠るという天使のお告げを聞き、懐胎し、神の子・キリストを出産する。
これによりマリアは聖母として崇敬の対象となり、処女降誕は重要な教理と一つとなった。
イエス・キリストの「復活」とは何か?
十字架の刑にされたキリストは3日後に蘇り、約40日間、弟子たちと共に過ごしたという。
これを「復活」といい、キリスト教信仰の基本となった。
その後、キリストは多くの人々が見守る前で天に上がっていったとされる。
「ルーテル教会」とは何か?
マルティン・ルターの宗教改革によってドイツで誕生したキリスト教の教団。
ルター派とも呼ばれ、北欧へ伝えられて国民教会となる一方、アメリカやラテンアメリカなお全世界に広まった。
8000万人以上の信徒がいる。
「聖礼典」とは何か?
キリストが定めた神の恵みを与える儀式。
カトリックでは秘跡、プロテスタントでは聖礼典、あるいは礼典と呼び、洗礼と聖餐(せいさん)の二つの儀式からなる。
洗礼によって信仰への決心が与えられ、生きた御言葉を頂く。
「バプテスマ」とはどんな意味か?
バプテスマとはギリシャ語で「沈める」「浸す」を意味する言葉である。
キリストの教えを受ける福音の最初の儀式で、キリストを信じ、新しい命を生きる為の洗礼。
方法は様々だが、例えば膝を折り、体を横にして全身を水に浸すなど。
「アガペー」とは何か?
アガペーとは、愛を意味するギリシャ語である。
同じギリシャ語のエロスが自己本位の愛を意味するのに対し、利益を一切求めず、人の為に向けられるキリスト教的な愛の事。
罪深い人類の罪を一身に背負い、磔となったキリストの愛がそれである。
なぜ「日曜日」に「ミサ・礼拝」を行うのか?
旧約聖書の創世記に、6日働いて1日休むという神の習慣が記されている。
ユダヤ教の安息日は土曜日だが、キリストが復活したのは日曜日だ。
そこで、この日に神を思い自分を取り戻す日として日曜に礼拝、ミサが行われる。
「讃美歌」とは何か?
プロテスタントでは讃美歌、カトリックでは聖歌と呼ぶ。
その歴史は古く、紀元前のユダヤ教の会堂では詩編が歌われ、神への賛美を美しく表現する為に曲が付けられた。
音楽は讃美歌を補強する為のものである。
「デボショーン」とは何か?
献身、忠誠を意味する英語。
日々、時間を決め聖書を順を追って何章か読み、聖句の解説に触れ、自らの心や魂の状態をさらけ出して神との交わりを持つ。
そして兄弟姉妹や周囲の人々の幸せにも思いをはせる行為の事。
「ローマ教皇」とはどんな人?
カトリック教会のローマ司教で全世界のカトリック教徒の精神的な指導者。
最初の教皇はキリストの十二使徒の筆頭だった聖ぺトロとされる。
2017年現在のフランシスコ教皇はアルゼンチン出身で、南米から初選出され、266代目にあたる。

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