「モーセの十戒」とは、神がモーセに与えた十の戒め。
第一から第四までは神と人間との関係を戒め、第五から第十までは人間と人間との関係について戒めている。
紀元前13世紀ごろ、古代イスラエルの民(ユダヤ人)はエジプトで奴隷の生活を強いられていた。
神はイスラエルの民を開放するため、エジプトの王子となっていたイスラエル人のモーセを指導者として、エジプトから脱出させる。
しかし、紅海を前にしてファラオの軍勢が追跡してきた。
その行く手を遮ったのが、炎の柱と海を二つに分ける神の奇跡であった。
神の加護を受けたイスラエル人たちは、無事に紅海を渡ることが出来た。
エジプトを脱出して3か月後、シナイ半島(アラビア半島とアフリカ大陸北東部の間にある半島)の南部にあるシナイ山(別説あり)、でモーセは40日間とどまった。
ただ一人、山に登り、神との対話を続けるモーセが神から授けられたのが2枚の石板に神が記した「十戒」であった。
そこには、いわゆる日常生活の倫理の規範が綴られていた。
イエス・キリストはこの十戒を教えの基本として、こう語っている。
「私が律法や予言者を廃しする為に来たと思ってはならない。完成させる為に来たのだ。」
以来、この十戒はキリスト教徒にとって守るべき大切な神の教えとなった。