通信販売

通信販売の歴史

現在では当たり前となった通信販売。
インターネットのオンラインショップや、カタログ販売による郵便販売などとても便利な通販。
通販はいつから始まったのか、その歴史は意外にも古い。
通販の歴史をみてみよう。

日本の通販の歴史

日本では明治時代1876年(明治9年)のアメリカ産トウモロコシの種の通信販売が最初といわれている(津田仙「農学雑誌」より)。
大正時代には野間清治の経営する講談社の代理部が同社発刊雑誌の広告を通じて通信販売が行われた。
対象商品は雑誌だけでなく、生活用品・雑貨、家具、清涼飲料水・食品、化粧品、薬品など、多岐に渡った。
配達は主に同社少年部所属の社員見習いの者が自転車やオートバイで行った。

戦後、本格的に日本で普及

ただし日本において、通販が産業として確立したのは戦後である。
ラジオ受信機製作用電子部品の雑誌広告による通信販売、大手百貨店の通信販売への参入が始まった。
1960年代にはカタログ販売の主要業者が設立され、1970年代頃からはテレビショッピング、ラジオショッピングの形でも行われるようになった。
1980年代後半以後、女性の社会進出の拡大や、宅配便サービスの拡充していく。

インターネットによって通販が急速に普及

そして、1990年代以後インターネットの拡大によって大きく発展。
現在では販売品目も魚介類などの生鮮食品から、各地方の名産品、パソコンなどの大型電気製品に至るまで販売されている。
寧ろ商品によっては、店舗販売より通販が一般的になって来ている。

世界における通販

初期のカタログ

通信販売の始まりカタログの始まりと言える。
1498年、ヴェネツィアの出版業者アルドゥス・マヌティウスが自身が刷った本のカタログを印刷したのが通信販売の始まりだ。
1667年のイングランドでは、園芸業者ウィリアム・ルカスが顧客に価格を知らせる為に種のカタログを印刷し郵送した。
初期の通信販売は消費期限の長い物に限られていた。
植民地時代のアメリカでもカタログが伝わり、ベンジャミン・フランクリンは、1744年に売られている科学と学術の書籍カタログを作成している。

最初の通信販売

ウェールズの事業家プライス・プライス・ジョーンズは、1861年にはじめて近代的な通信販売を開始した。
彼はウェールズのニュータウン市にある呉服屋に弟子入りし、1856年に事業を引き継いだ後、ロイヤル・ウェールズ・ウェアハウスと改称し、ウェールズ・フランネルを販売した。
1840年にはユニフォームペニー郵便が設立され、ニュータウンへの鉄道網も拡張された。

カタログの配布拡張で通販の範囲も拡大

1861年、彼は独自の販売方法を始めている。
カタログを全国に配布、人々が希望する商品をかなりの遠方からの注文を可能にした。
そして、商品は鉄道を使い発送する。
これが世界で初めての本格的な通信販売となった。
さらには海を越えて米国や海外領土まで、カーテンなど輸出している。
もっとも売れた商品の一つは初期の「寝袋」で、ロシア軍へ6万枚発送するなど世界中に販売した。
1880年には10万人以上の顧客を抱え、1887年には爵位を授与された。

初期の通販を利用した人

通販事業は人々を驚かせ、ヴィクトリア女王やヨーロッパの王室、フローレンス・ナイチンゲールなどの有名人に製品を発送している。


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