現在では当たり前になっている消費税。
日本の消費税はいつから始まったのか?どうやって増税されていったのか?
日本における消費税の導入とその変遷を見てみる。
>> 税率の引き上げ年表
世界で初めて消費税を導入したのはフランスで、1953年にフランス大蔵省の官僚モーリス・ローレが考案し、1954年に導入された。
日本でも消費税導入が議論され始めたが、社会党や日本共産党など野党の強い反対を受け、導入は30年後となった。
日本における消費税は、竹下登内閣の1989年(昭和64年/平成元年)4月1日に税率3%から始まった。
野党は消費税に反対していたため政府を厳しく追及したが、自民党は法案の単独強行採決を行い、衆議院を通過させた。
竹下登内閣の前、1982年(昭和57)に総理となった中曽根康弘も消費税(売上税)の導入を目指していた。
しかし、中曽根は先の選挙で「大型間接税は導入しない」と約束していたため反発が大きく支持率が一気に降下、中曽根は売上税の導入を断念した。
そして中曽根は、売上税の導入を条件に竹下を次期総理として指名した。
1993年(平成5)に7党1会派から成る大連立の細川護煕内閣が誕生し、細川総理は1994年(平成6)2月3日の深夜、突如として記者会見を開き、消費税3%を廃止して税率7%の国民福祉税を導入すると発表、しかし翌日に撤回した。
同1994年6月、自社さ政権の村山富市内閣が発足、村山内閣をその年に「1997年(平成9)4月から5%に引き上げる」ことを決定した。
1996年(平成8)に橋本龍太郎内閣が発足し、予定通りに1997年4月1日に「社会福祉を充実させる」という目的で、消費税を5%に引き上げた。
2004年(平成16)、当時の小泉純一郎内閣は、5年後の2009年に消費税率を上げて年金財源にすると確約した。
また、2006年(平成18)の自民党総裁選で谷垣禎一財務大臣は、社会保障を目的に2010年代には消費税を10%にすると表明した。
2009年(平成21)8月の衆議院選挙において、自民党は景気回復後の消費税引き上げを公約するが、対する民主党はマニフェストに消費税引き上げを盛り込まなかった。
そして、民主党が選挙に勝利、過半数を得て政権交代となった。
マニフェストに消費税引き上げを盛り込まなかった民主党であったが、結局は財政事情に逆らう事は出来なかった。
2010年(平成22)、当時の菅直人総理は、自民党の従来の路線であった10%引き上げ案を取り入れて提示した。
2011年に東日本大震災が発生、震災後に発足した野田佳彦内閣は震災の復興財源として所得税や住民税等の税の引き上げを決定した。
その復興財源とは別に、野田政権は、2014年(平成26)4月に税率を8%に、さらに2015年(平成27)10月に10%とすると決定した。
増税を決定した民主党・野田内閣は案の定、次の選挙に大敗する。
2012年(平成24)12月の衆議院選挙で自民党が大勝し、自民党・安倍晋三内閣が発足した。
安倍内閣は前・野田内閣の決定に従い、2014年4月1日から税率を8%にすると決定し、実施した。
その後、安倍総理は2014年11月18日の記者会見で、10%への引き上げを当初予定の2015年10月から1年半先送りにすると表明した。
安倍晋三首相が2017年9月25日に記者会見で2019年10月から消費税率を10%に引き上げると宣言、さらに2018年10月15日にも予定通りに引き上げを実施する方針を表明した。
そして、2019年10月に消費税率は10%となった。
消費税率は1989年に初めて導入され、税率は3%から3度引き上げられた。
税率 | 内閣 | ||
---|---|---|---|
平成元年 | 1989年4月1日 | 3% | 竹下登内閣 |
平成9年 | 1997年4月1日 | 5%(国4%+地方1%) | 橋本龍太郎内閣 |
平成26年 | 2014年4月1日 | 8%(国6.3%+地方1.7%) | 安倍晋三内閣 |
令和元年 | 2019年10月1日 | 標準税率10%(国7.8%+地方2.2%) 軽減税率8%(国6.24%+地方1.76%) |
安倍晋三内閣 |