アメリカ南北戦争

南北戦争を経て発展したアメリカ

1783年のアメリカ独立後、独自の発展を遂げたアメリカ合衆国。
1812年に勃発した米英戦争を通じて、さらに国内産業を発展させ、奴隷問題に起因する1861年の南北戦争(アメリカ合衆国とアメリカ連合国の戦争)を経て、国内の統一を果たした。
そして、ヨーロッパからの移民による人口増加・大陸横断鉄道の開通により、アメリカは世界一の工業国へと発展した。
>> アメリカ独立発展年表

領土を拡大し、国内工業が発達したアメリカ

独立後のアメリカは、1803年にフランスからルイジアナを購入した事を皮切りに、アメリカ・メキシコ戦争でカリフォルニアを獲得するなど、領土を拡大していった。
また、対外的には、ヨーロッパとの相互不干渉を基本方針としていたが、ナポレオン戦争に乗じてイギリスが通商妨害を行うと、これに対抗して12年にアメリカ・イギリス戦争が開始される。

米英戦争

この戦争でアメリカは常に劣勢であった。
しかし、イギリスはナポレオン戦争で軍事的・経済的に疲弊しており、ウィーン会議の下で、新秩序を早く確立したい意向もあって停戦を望んだ(ガン条約)。
また、戦争中にイギリス商品のアメリカへの輸入がストップしたため、アメリカの経済的な自立が促され、経済的にも独立する結果となった。
結果としてアメリカの国内工業は保護され、特に北部諸州では綿工業などが発展する事となった。

奴隷制をめぐる南北戦争

一方、南部諸州は奴隷制プランテーションによる農業中心の産業構造を確立しており、保護関税政策を求める北部とは対照的に、自由貿易政策を主張していた。
西部開拓が進み、新たな州が誕生するようになると、新しくできた州に奴隷制の拡大を認めるか否かで南北の対立は深まるようになった。
そして1860年に奴隷制に反対する共和党のリンカーンが大統領に当選すると、南部諸州は合衆国からの脱退を宣言し、翌61年にアメリカ連合国を結成、南北戦争が始まった。
リンカーンは62年の自営農地法(ホームステッド法)によって西部農民の支持を得、63年の奴隷解放宣言で内外の世論を味方に付けた事で、北部に勝利をもたらした。

世界最大の工業国となったアメリカ

南北戦争の結果、工業国として歩む事となったアメリカは、ヨーロッパからの移民による人口急増などもあり、目覚ましい発展を遂げた。
さらに、1869年に最初の大陸横断鉄道が開通した事で、国内市場の結び付きが強まり、1890年代には世界最大の工業国となった。

アメリカ独立発展年表

西暦 出来事
1783年 アメリカ独立
東部13州がイギリスから独立
1787年 合衆国憲法制定
1812年 米英戦争
1853年 アメリカ合衆国、大陸領土の確定
1861年
南部独立を宣言
合衆国から離脱した南部11州は、ジェファソン・デーヴィスを大統領とするアメリカ連合国を結成する。
南北戦争勃発
北部(アメリカ合衆国)vs南部(アメリカ連合国)の内戦
1863年 奴隷解放宣言
1865年 北部、南北戦争に勝利
1869年 大陸横断鉄道開通
1890年代 アメリカ、世界一の工業国となる。
アメリカへの移民が過去最大となる。

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