ノルウェー侵攻

ドイツ軍のノルウェー侵攻

このページでは、1940年4月9日〜1940年6月4日のドイツ軍の侵攻拡大に付いて簡単にまとめる。

北欧・オランダ・ベルギーへ、侵攻拡大

ヒトラーは当初、ノルウェーを侵攻する予定ではなく中立を保持する考えであったが、ノルウェー沿岸を通る鉄鉱石の輸入ルートを英国に脅かされ、侵攻を決めた。
北欧からオランダ、ベルギーへとドイツの侵攻は拡大していき、ドイツの次の狙いはフランス・パリであった。

自軍の戦力に絶大な自信を付けたヒトラー

対ポーランド戦の全面勝利に酔ったヒトラーは、自軍の能力を過信し、更なる戦線の拡大に乗り出す。
ただちに西部のフランスやベネルクス三国(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)に対しても全面的な攻勢を実行するよう、1939年9月2日にドイツ軍首脳部に命じた。

軍高官らは冷静な状況判断でヒトラーに進言

ドイツ陸軍と空軍の高官たちは、ポーランド戦での部隊と弾薬の消耗から回復するまでは、大規模な攻勢開始は無理だとヒトラーに進言した。
そして、1月7日から西ヨーロッパの天候が悪化したことで、この無謀な計画案は、翌年春まで延期されることとなった。

ソ連がフィンランドを侵攻していたが…

英仏がノルウェー経由でフィンランドを支援

1940年に入ると、北欧の情勢が緊迫した。
前年11月に始まったソ連軍のフィンランド侵攻に対し、フインランド軍が圧倒的な劣勢にもかかわらずソ連軍の攻撃を停止させると、英仏両国はノルウェーとスウェーデンを経由してフィンランドへと救援部隊を送る計画を立案した。
この動きは、ヒトラーの関心を北欧に向ける効果をもたらした。

ヒトラー、ノルウェー侵攻を決断

鉄鉱石の輸送路確保のためにノルウェーを侵略

当時、ドイツは兵器生産の最重要資源である鉄鉱石を中立国スウェーデンに依存しており、冬季にはノルウェー北部のナルビク港から船でドイツに輸送していた。
このルートを英仏両軍に遮断される可能性を危惧したヒトラーは、先んじてノルウェーを支配下に置くことを決断し、軍上層部にノルウェー侵攻作戦の計画立案と準備を命じた。

ドイツがノルウェーに全海軍力を向ける

1940年4月3日、ナルビクを目標とするドイツ海軍の駆逐艦10隻が、約2000人の山岳兵を積載して、ドイツの湾港を出発した。
続いて、トロンヘイム、ベルゲン、クリスティアンサン、オスロの各都市を目指す小艦隊が北に進路をとった。
この侵攻作戦を成功させるために、ドイツ海軍は手持ちの海軍力のほぼ全てを投入した。

ノルウェー侵攻開始

1日で主要都市が占拠され

4月9日早朝、ドイツ軍はノルウェーとその南のデンマークへの侵攻を開始した。
ノルウェーの主要都市がわずか一日でドイツ軍に制圧されたことを知った英仏両国は、ただちに奪回作戦を命じ、ノルウェーに反撃部隊を展開した。

イギリス・フランスが参戦

ノルウェーの戦い、英仏が参戦

ノルウェーの戦いは、第二次世界大戦で最初の「ドイツ軍対英仏連合軍」という直接対決となった。

独がオランダ・ベルギー・フランスへ侵攻

英仏両国の政府と軍は翌月、新たな困難に直面した。
5月10日、2500鯛以上の戦車と3000を上回る航空機に支援された、ドイツ陸軍300万の兵力が、満を持しオランダとベルギー、そしてフランスへの侵攻を開始したのである。

ドイツ軍が英仏軍の裏をかく作戦

英仏両軍は、ドイツ軍の西方攻勢開始と同時にベルギー北部の平原へと兵力を展開させ、そこで敵の攻勢を食い止めるという作戦計画を立てていた。
だが、ドイツ軍はその裏をかいて、防備の手薄なベルギー南部のアルデンヌの森に戦車部隊を集中した。

英仏軍がドイツ軍に圧される

その結果、ベルギー北部に展開した英仏両軍とベルギー軍部隊は、突然側面と背後に現れたドイツ軍の戦車部隊に包囲され、フランス北部の港町ダンケルク周辺へと押し込まれていった。

包囲された英仏軍が本土へ脱出

5月26日、イギリス軍の航空機と艦船による支援を受けながら、ダンケルクで包囲された英仏軍部隊をイギリス本土に脱出させる作戦が開始された。
ドイツ空軍は、爆撃でこれを阻止しようとしたが成功せず、6月4日までに33万8226人の英仏軍将兵が、大小の船でドーバー海峡を逃げ延びてイギリス本土への脱出に成功した。

オランダとベルギーも、独の侵攻を止められず

一方、オランダとベルギーも、ドイツ軍の素早い侵攻に太刀打ちできず、有効な抵抗を行えないまま、国土を次々と蹂躙される展開となっていた。

非常に巧妙な作戦を展開していたドイツ軍

オランダの場合、国土を縦横に張り巡らせた水路や運河がドイツ軍の進撃を阻障害になると思われた。
しかし、ドイツ軍はパラシュートで降下する空挺部隊で主要な橋を迅速に占領し、戦車や自動車化部隊をそこに突進させて前進した。

英仏敗退でベルギーは万事休すに

ベルギーも、英仏軍とともにドイツ軍の侵攻を迎え撃ったが、両軍部隊の敗退で実質的に国土防衛の見込みを失った。


↑ページTOPへ