14世紀から16世紀、西欧の文化を発展させたルネサンスの運動。
ルネサンスは、イタリアの都市から始まったヨーロッパの古代文化を模範とする「再生・復興」運動で、西欧の分化は大きく発展した。
14世紀から16世紀にかけて、ヨーロッパで展開された新しい文化創造の運動をルネサンスいう。
これは「再生・復興」を意味するフランス語で、この運動がギリシアとローマの古典古代の分化を手本とする姿勢をはっきり持っていた事が分かる。
そしてこれは、神(教会)を中心とした中世的な世界観からの解放と、新しい時代の幕開けを告げるものとなった。
中世末期のヨーロッパはペストの大流行や飢饉、百年戦争などの戦乱で人口が激減し、社会全体が危機的な状況にあった。
そんな中で、人々は生と死について深く考え、如何に生きるべきかを強く意識するようになったという。
また、神と人間の関係についても、旧来の価値観に捕らわれない新しい考え方を生み出していった。
こうして神中心の中世的世界観とは異なる、人間中心の能動的・世俗的な世界観が形成されたのである。
人間中心の世界観を展開したルネサンスの知識人が、その拠り所としたのが古代ギリシアとローマの古典であり、文献学的研究による原点の正確な理解を通して、人間性を磨き、教養を深めた。
このような知的姿勢、または知的潮流を人文主義という。
ルネサンスはまず、古代ローマの分化遺産が数多く残り、東方貿易で繁栄したイタリアの諸都市で始まった。
フィレンツェの大商人メディチ家をはじめとする富裕な市民が、パトロンとなって芸術家や学者を保護し、後にはローマ教皇が学芸の保護者となった。
そのもとでレオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロなどの天才が活躍し、数多くの傑作を残した。
イタリア以外では、商工業が発達していたネーデルラントで早くからルネサンスが開花し、フランス、イギリス、ドイツなどにも広まった。
また、ルネサンスは実用的な分野でも革新的な成果をもたらした。
特に活版印刷術の発明や、火薬・羅針盤の改良・実用化は、その後の人類の歴史に大きな影響を与えた。