関所

関所

幕府への謀反を防ぐ役割

江戸時代幕府は街道を整備するとともに、全国に関所を設置した。
江戸時代初期には、豊臣側の残党などの脅威もあって、関所は軍事的な意味合いが強い施設として機能した。
やがて平和な時代になると、治安維持の役割を果たす警察的機能を担うようになっていった。
とくに鉄砲と女性は厳しく取り締まり、「入り鉄砲に出女」といわれた。
数多く置かれた関所の中でも、東海道の箱根・新居、中山道の碓氷・福島はとくに取り締まりが厳しかった関所として知られた。
江戸時代260年にわたり機能したシステムだが、倒幕後に廃止となった。

入り鉄砲に出女

関所では、大量の武器が江戸に持ち込まれないよう、また各藩主が江戸に人質として残した奥方が国元に逃げ帰らないよう、鉄砲と女性の出入りを厳しく取り締まった。
これを「入り鉄砲に出女」といい、幕府の重要な監視項目であった。

全国の主な関所

  • 碇ヶ関
  • 念珠関所
  • 勿来の席
  • 白河の関
  • 猿ヶ京関所
  • 小岩市川関所
  • 金町松戸関所
  • 関宿関所
  • 栗橋関所
  • 川俣関所
  • 碓氷関所
  • 上椚田関所
  • 小仏関所
  • 箱根関所
  • 大井川渡し
  • 新居関所
  • 木曽福島関所
  • 鈴鹿の関
  • 不破の関
  • 愛発の関
  • 逢坂の関

関所の役割

当初は軍事的要衝でつくられた関所は、街道を行き来する人の荷物検査を担う警察的な役割に変化した。
関所では独自の取締方法があった。
女性は素性や旅の目的、行き先、容姿の特徴などが書かれた手形を持参しなければ通れなかった。
容姿に関しては年代、髪量(ハゲの有無)、ホクロや出来物跡、お灸の跡などを確認していたようだ。

関所での主な取調べ内容

顔かたちを確認
旅人は被っている笠・頭巾を取り、容姿を確認された。
乗り物の中の様子を確認
駕籠など、乗り物に乗った旅人は、乗り物の扉を開いて、中を確認された。
出女の通行手形を確認
関所より先へ行く女性は、詳細に通行手形と照合する検査を実施した。
怪我人や不審者には厳しい取り締まり
傷ついた人、既に亡くなった人、不審者は、通行手形を持っていなければ通されなかった。
特例で素通りできる場合も
公家通行や大名行列の場合と、事前に通達があった場合は、通関の検査はなかった。

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